もう少し、もう少しでこんなところからおさらばしてやるぞ。俺は世界一の金持ちだ。俺の金で買えないものなどないのだ。世界中の気象がおかしくなって、あっという間に水や食料がなくなった。凡人どもが右往左往している間に俺は考えたのだ「必要なのは、口に入れるものではない」と。そう、時間だ。秘密裏に俺は、タイムマシンの部品を手にいれ、組み立て始めた。そして自分だけが生き残る時を待っていたのだ。俺はこのタイムマシンで過去に戻り、再び財を築くのだ。はぁはぁ…。だいぶん体力が落ちてきた。マニュアルによれば、もう完成するはず…ん?最後に何か書いてあるぞ。「なお、この機械はエイプリルフールに合わせて開発したもので、実用性はありません。4月1日に、お友達をだまして遊んでね」…だと~
【作】 佐野莱見 京都精華大学マンガ学部 マンガ学科カートゥーンコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授