「お~、これはすばらしいスピンが出ました。マオ選手、ひたすら回り続けてすでに15分。いったいいつまで回るんでしょう。今や頭上の電球は、割れんばかりに輝いています。いかがですか、審査委員長?」「いや、これはもうパ-フェクトでしょう。先程の直列部門といい、今回の並列部門といい、彼女は実に電気に精通していますね」「演技の美しさだけでなく、自己発電の精密さと電圧の高さが評価につながるこの国際スケート大会。初めての参加にして優勝の可能性が高くなりました、マオ選手。あ、点数が出ました。これは文句なし!満点です!やはり彼女の発電能力はW=AVの、え~、パスカルの方程式じゃなくて、エレキが…その…つながりが…美しいんですよね!」「…無理しなくていいですよ」
【作】 塩崎亜利沙 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授