「おばあちゃん、肩もんであげようか?」「そうかい。じゃあ、ちょっと頼もうかねえ」「動かないでよ。せ~の」『ヴ~ン』「なんだい、これは」「知らないの?ケ一夕イのバイブだよ。ブルブルってなるやつ」「何だかせわしないねぇ。いやいや、何でもないよ。これ、あんたの電話なの?」「ううん、お母さんの」「勝手に使って叱られないかい」「大丈夫。ちゃんと訊いた。おばあちゃんの肩もみに使うって言ったら笑われたけど。『省エネね』って言われた」「あんたのエネルギーは省エネでも、これの電気は使うだろう」「う~ん、後で充電しておくけど…」「それでも地球のエネルギーを使うことには変わりないさ。さぁ、じゃぁ次は自分の手でもんどくれ。そしたら、あんたの充電に、とっておきのおやつを出してあげるから」
【作】 小山 萌 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授