エリカ、今日こそはキミを振り向かせてみせるぜ。キミは今まで、オレのメールや電話、手紙まで「暑苦しい!」と無視し続けて来たけど、これはきっと目をそらせられないはずだ。見てくれ!この力作を!キミへの愛を一枚の素晴らしい絵画で表現した、何て罪作りな、溢れ出るオレの才能。そう、これは南極の氷をも溶かす、地球温暖化をも上回るオレの熱い熱い想いだ。東京を、名古屋を、福岡を、そして京都や琵琶湖まで呑み込む、天に達するが如く巨大化した波頭に、人々は敬意と賞賛を送るだろう。そしてそれはやがて、オレとキミへの祝福のエールとなり、新たな波を生むに違いない…。なんて素晴らしい未来!え?わけがわかんない?いや、あっ、待って。エリカ、行かないでくれ~!プリーズ、カム・バック…!
【作】 西村 綾乃 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース2年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授