なんでワシの組だけが他の組からにらまれもせず、安定して業績を上げてるか不思議や言わはるんか?ふん。 ほな、あんたはんだけに教えまひょか。まあ、こんな商売してる以上、多かれ少なかれ人様の怨みをかいますわ な。で、そこでや。どうせならワシは、その怨念を使って商売をしようと思うたわけや。そこら辺に漂ってる怨 念をかき集めて、冷媒機の中に詰める。で、必要に応じて「ゾ~ッ」とする寒気を存分に出してもらえば、電気 要らずのクーラーができる。売れ行きもまずまずやし、おかげさんで他の組からも「怨念を引き取ってくれ」い う話がようけありましてな。組同士の仲も円滑になる。省エネにもなる。えぇことづくしですわ。そろそろ秋冬 に向けて、火の魂を集めなならんな~。
【作】 榊原太朗 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース4年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授