「だからワシが早く起きろと言うとったじゃろうに おまえ以外の者達は皆、さっさと水の届かぬキリマンジャロとかいう山を目指して旅立ったぞ」「そんなこと言われても、ピラミッド様。スフィンクスがこのエジプトに災難なんか絶対に降りかからないって」「あんな嘘つきの言うことを真に受けたのか。奴は一番先に立ち上がって逃げて言ったよ。あの立派な足でな」「困ったなあ。僕、どうすればいいんでしょう。こんなことなら早いとこ発掘されておけば良かったなあ」「情けないことを言うでない。 とにかく泳いて岸まで行くんじゃな」「え~、僕、ミイラですよ。筋肉なんかないですよ。」「干し椎茸のようなものじゃろ。水に浸かっているうちに、いずれふやけて元に戻るて」「そんな~」
【作】 早川 梓 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授