「いかがです、社長。この『ホエールエレベーター』の調子は。地球環境配慮・コスト削減・迅速出動・無遅刻 無欠勤!どれをとりましても御社のお役に立たないところは無いかと存じますが」「まあ、少々上げ方に勢いが ありすぎて、ムチ打ちになる社員もいるそうだが…。我が社のように自社ビルの階数が多いと、上階まで上げて もらえる自然エネルギーは限られているのでな。あまり贅沢は言えんよ」「前回お試しいただきました『タコ仕様』 でしたら、比較的穏やかな昇降ですし、一度に8人運べますが…」「あれはイカン。仕事に熱が入るとそこらじゅ う墨を吐きおって、大切なお客様との取引がぶち壊しだったからな」「では、引き続きこの鯨のままで」「うむ。 鯨(ゲイ)は身を助く、と言うしな」
【作】 小林徹也 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース2年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授