あんたら毎日毎日、この公園でばかでかい声を張り上げて何を言うとんのや。何やゴミを出さんようにしよう言うて、チラシ配っとんのかいな。まぁな、京都も家庭ゴミ袋が有料化になったことやしな。そやけどわしらが子供の時はそんなこと大きい声で言わんでも、ゴミになるようなもん自体が今よりずっと少なかったんやで。買い物しても、包むんはほとんど新聞紙やったしな。新聞紙いうたら、わしのお袋は毎朝髪をセットするのに使うコテ、ジュ~ツと古新聞に焼き付けてから熟さを調整して使ぉてたなぁ。あの時のインクの匂い。懐かしいのぉ。涙が出るわ。…ちょっと鼻かも。いや、テッシュはええわ。ここに捨てたあるチラシ、揉んで柔らこうして使わしてもらうさかい。これがほんまの紙の使いきり方やで。よう覚えときや。チ~ン!
【作】 畑野悟志 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース2年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授