「これが我々の古代の姿です。では、今の君たちとの違いがわかりますか?」「はぁい!毛があります」「そう です。それに頭のお皿がむき出しですね。我々のように、超合成樹脂カバーでは覆われていません。他には?」 「はい!体が緑色です!…変なの」「これこれ、そんなことを言うものではありません。昔は水と植物があふれて いたのです。だから頭のお皿のカバーも必要なく、自分の体を隠す保護色も緑色であるほうが良かった。それに 雨も酸性雨ではなかったために、髪の毛もあったようです。手についているのは水カキです。これを使って、自 由に泳いでいました。私達にもまだ付いていますね。だいぶ薄いですが」「え~、私、泳ぐの嫌い」「僕たちも…」 「やれやれ…。『河童の川流れ』は死語ですな」
【作】 渡邊瑠珠子 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授