みんな、今日はよく集まってくれた。他でもない。いよいよ私達ペンギン族もこの地球を離れることとなった。昨日、私のところに、人間が火星への出発日を知らせに来たのだ。5日後に迎えの宇宙船が来る。もちろん強制はしない。この南極に残りたい者は残ってもいい。しかし見ての通り氷は私の足の下にあるこれひとつ。あとはすべて地球の暑さに溶けてしまい、島も大陸もその水に浸かってしまった。オゾンホールは広がり続け、他の動物達もすでに地球を捨てて脱出したらしい。地球をこんなにしてしまった人間に助けられるのは釈然としないが、今は生き抜くことだけを考えて、病んだ地球を後にしよう。これは逃避ではない!未来への旅立ちなのだ!
【作】 神田 瑞穂 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授