ただいまぁ。なあに、その顔。今日もまたネズミかって? 僕たちも一度でいいからハンバーグや刺身みたいなごちそうを食べてみたい? そんなこと誰に聞いたの? 黒猫のおじいさんが昔はいくらでも食べられたって言ってたって? もう、余計なことを…。あのね、それは人間がいた頃の話なの。そういう贅沢や便利さを求め過ぎた人間のせいで地球はこんな砂とサボテンだけの星になってしまったし、人間自身も環境に順応できずに滅びてしまった。だから私たち猫族は、野生を失わずに堂々と生きていかなきゃいけないっていつも言ってるでしょ。お母さんが毎日どんなに苦労して獲物を捕って来てるか考えれば…こら! 食べてないで聞きなさいってば!
【作】 清水直子 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授