「ねぇ、あのお客さんて、朝からずっと選んでない?レディース用のフィンの前で、何をそんなに悩んでんだろ?」「それがさあ、最初にそこのコーナーに立ってたときに、『サイズはいくつですか?』つて尋ねたのよね。それが、どうも要領を得ないのよねぇ。好みもあやふやだし」「あっ、わかった!ホワイトデーの下見じゃないの?」 「え~、まだだいぶ先だよ。第-、言っちゃあ悪いけど、あの人がチョコをもらえるとは思えないけど」「ちょうどいいじゃん。あんたが義理チョコあげてさ、かわりにお店で一番高いフィンを買ってもらえば、店の売上になるし、新しいフィンは手に入るし、一石二鳥よ!」「そういうのって、足元を見るって言うんじゃないの…?」 「足見ないと、サイズ測れないもん」「そうじゃなくって!」
【作】 上田 広樹 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース2年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授