「先生、こんなものでいかがでしょう。美しかった20世紀の中でも、ことさらに美しかった日本の四季。そしてその風景を彩っていた植物達への憧れがこの作品のテーマです。花器には水の聖獣『駱駝』を用いました。南北に長かったと言われる日本列島ですから、さぞ多種多様な植物が手に入ったんでしょうね。なのに今の私達は、こうしてモニターの中でしか華道の精神を学べない。バーチャルシステムの進化で匂いや感触を体感できるとはいえ、やはり本物の持つ危ういはかなさには到底及びつきませんわね」「お気持ちはわかりますが、今回も技術的に不合格です。ハイ、リセット」ピー、プツッ!
【作】 谷村耕太郎 京都精華大学芸術学部 マンガ専攻4年
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授