2002年
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 「見てしまった!」


形良ければすべて良し。これでおさらば、ゴミ問題。

 いやあ、女将。やっぱりこの料亭で観る送り火は最高だな。これに勝る酒の肴はないネ。しかし、なんだな。どうして今年に限ってこう、窓という窓を閉め切っとるんだね。窓を開けて夜風を入れてくれ。せっかく京都まで来たんだ。鴨川の匂いも嗅いで帰りたいしなあ。なに、とても臭くて開けられない? 今晩だからこそ無理? どういうことだ? この双眼鏡で見てみろだと? ん?なんじゃ、これは。ゴミを燃やして先祖を送るとは大胆というか失礼というか…人のモラルもここまで来たか。それにしても、「夜目。遠目。傘の下」とはよく言ったもんじゃ。遠くから眺めている分には十分美しかったのに。女将にも、あんまり近づかん方が無難かのう。

【作】
田子左季子

京都精華大学芸術学部
マンガ学科カートゥーン・マンガコース4年生

国際マンガ展などを通じて海外の作品に触れる機会も多いんですが、何となく日本の作品はまわりくどい様な気がして。今回はストレートさを全面に出して描いてみました。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

この大文字はインパクトがあるね。まさかゴミ袋を燃やしているとは。双眼鏡で見ているというのも工夫されているし。マンガの奇想天外さが十分発揮されている作品だね。
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