あ、痛。痛いって!ほんまにもう、勘弁してや。そら確かにこの不況下やさかい使うてもらえるんやったら何でもええとは言うたけどやな、いきなり割り箸に転職ちゅうんはちょっと。いや、わかってるで。杉さんや桧さんや柳さんかて、高級割り箸として立派にやったはるよ。そやけど結局は使い捨てっちゅうとこが、なんや甲斐がないっちゅうか侘びしいっちゅうか。聞くところによると、この国で一年に使われる割り箸の数いうたら、約230億膳らしいがな。つまり一人平均が、え~と、まあええわ。とにかくようけ捨ててるいうこっちゃ!な、虚しいやろ。侘びしいやろ。大正時代から続く文化かなんかしらんけど、そろそろ考え直してくれ。わしの右足まで削られる前にな!
【作】 小野塚利枝 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授