「首相、いよいよガソリン車の最終日となったわけですが、処分場の現場に来られたご感想は?」「いや、いくら名目上は政府が買い上げるとは言え、長年連れ添った愛車を処分されるんですから、マイカー派の国民の皆さんはいい気分ではないでしょう。でもこれくらいの強行手段にでなければ地球上の二酸化炭素は減りません。ほら、あの前の車に怒っている男性の車。自分の車の排気ガスは見えていないのです。あんな車が世界中にあふれてたんですから。これから地球はきれいになりますよ」「ということは首相の専用ハイヤーも、もう処分されたわけですね」「ん…ま、まあネ」
【作】 佐藤、拓 京都精華大学芸術学部 マンガ専攻3年
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授