うれしいのう、うれしいのう。わしのような年寄りのカミナリでも役に立つというてくれるんじゃから。こうしてこの小さい器に電気を詰めていけばいいんじゃろ。いやいや、わしも若い頃は低気圧に乗って太平洋上を駆け回ったもんだがな。最近は腰が痛うて思うように太鼓も打てんし、稲妻も地上まで届かんし。女房子供の前でもなんや肩身が狭ぅて辛かったが、思い切って人間界の「エネルギー提供者募集」に申し込んでみて良かったわいな。雲上の家で粗大ゴミ扱いされることを思えば、どんなに毎日張り合いがあるか! 一昔前は「地震カミナリ火事オヤジ」といえば怖いものの代名詞だったが…、見たところ、最近は人間のオヤジもたいして怖がられてなさそうじゃの~。
【作】 清水紋加 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授