2004年
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 「端午の節約」

雲まで届いて舞い上がれ! 僕らの未来と五月の風。

 「おじいさん、見てくださいよ。孫達の鯉のぼりがこんなに間近に」「ほおお、今年から鯉のぼりが復活するという噂は聞いとったが。どれどれ。なるほど、わしらのいる天まで届きそうな勢いじゃな」「何といっても発電が目的ですし、金太郎の図柄が雷の子に変えられているとはいえ、私達が息子に買ってやったものがこうしてまた日の目を見るなんて、ありがたいですねえ」「何だ、泣いとるのか。涙もろいのは死んでも変わらんな」「孫達もあんなに楽しそうに…」「ふむ。ゲーム機の充電がうれしいのかもしれんが、まあ嫌がってはおらんようじゃな」「またそんな憎まれ口をたたいて。おじいさんこそ目が赤いですよ。何はともあれ、いい風を送ってあげましょうよ」「わかっとるよ。ほうれ!」


【作】
太田 朝子

京都精華大学芸術学部
マンガ学科カートゥーン・マンガコース4年生

私自身は姉妹なので実家に鯉のぼりはないんですが、近所に7匹も連ねて上げている家があって、毎年見上げるのが楽しみでした。こういう伝統って大切ですよね。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

風力エネルギーを鯉のぼりにもってきたところは、よく考えたね。それに難しい構図をサラリと描くあたりもなかなかのもの。線もダイナミックで、元気があっていいね。
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