「カメ主任。エネルギー庁の方からこの計画の年数をもう少し縮めるように、通達が来ていますけど…」「またか。ほんまに何回返事したら君ら人間は納得するんや。前にも言うたやろ。この計画は低燃費で安全に、なおかつクリーンにエネルギーを生み出すことが最大の目的なんや。これ以上のスピードアップはできん。だいたい、この土地が海底にあった時代からワシらは目えつけてたんや。それが目算どおりうまいこと隆起して、こうして今、目の前に断層として現れてる。この亀裂からエネルギーが生まれるのはもう目の前や。その1500年ほどがなんで待たれへんのかいな」「1500年…気が遠くなりますね」「君のご先祖さんもそない言うてたよ、浦島くん」
【作】 菊田 智之 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授