「お待たせいたしました。1541円になります」「あ、レジ袋いりませんから。はい、これ。2000円と袋持参のポイントカードね。ほんとにこの服を着始めてから、すっかりエコな買い物にはまってしまって。今までは買い物袋を持って行くのをつい忘れたり、レジで『いりません』って言いそびれたりしてたんですけど。さすがにこの服なら忘れようもないでしょう。お向かいの奥さんから勧められた時は正直言ってあんまり乗り気じゃなかったんですけどね。合皮の割りにいい値段だなあ、なんて。なのに今は買い物と言えばこればっかり! 何事も習慣ねえ」「はあ、あの~、すいませんけど」「な~に?どこか変かしら」「いえ…後ろがつかえてますので、そのシッポだけでも除けていただけます?」
【作】 松岡 阿美 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授