2003年
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 「濡れたくないの」


若きソルジャーの身に降りかかる危険。雨と弾、どっちがいい?

 「おまえ、またそんなとこにつっ立ってんのか!敵に見つかるだろうが!早く伏せて前進しろよ!」「そんなこと言っても先輩~。こんだけ酸性雨の混ざった泥にまみれたらきっとヒリヒリしますよ。目に入ったらしみそうだし、歯とか髪の毛も溶けちゃうかも…」「今そんなこと言ってる時じゃあないだろ!いくぞ!傘捨ててついてこい!」「だめです。足が動きません。先輩、やっぱり戦車か戦闘機に応援に来てもらいましょうよ」「酸性雨で鉄製のものは全部サビて使い物にならないんだ。だから俺たちが人海戦術で戦ってんだろ!いいから進めよ!」「やだなあ、俺ひとりだけでも降参して帰ろうかなあ。傘の色、白にしとけばよかったなあ…」「バカ野郎!何いってんだ!」

【作】
大石麻衣子

京都精華大学芸術学部
マンガ学科カートゥーン・マンガコース4年生

チャップリンの映画でドイツの兵隊の訓練風景が出てくるのがあるんです。今回はそこから発想しました。国際的なニュースを皮肉ることで、案が出てくることもありますね。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

なるほど、敵の銃弾より酸性雨の方がコワイんだね。ホント、こんな赤い傘だと目立つなあ。絵にデフォルメが欲しいね。そうすれば自分のスタイルがもっと出来てくるよ。
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