やっぱりあなたは行ってしまったわね。あんなに私のことを愛しげに見つめていてくれたあなただったのに。風のささやきや雲の名前を語り合った私たちだったのに。「君にこんなアスファルトの隙間じゃない、もっと広い草原をプレゼントするよ。そのためには地球が変わらなきゃだめなんだ。僕は君のために戦ってくるよ。」そう言ってあなたはあの活動に参加していった。目の前の敵を倒すために。違うのよ。大切なことは声を大にしなくても聞こえるはずなの。砂粒ひとつでも地球の一部なの。私も、そしてあなたも。さようなら。私はここで死んでゆきます。でも私の種は必ずいつか小さな芽を出すでしょう。ここに地球がある限り。そして、あなたがいても、いなくても。
【作】 岩澤美智子 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授