「うむ、やっと来たか。そなたに来てもらったのは他でもない。ワシのこの頭を見てくれ。そなた達がまわり の森を伐採し始めた1カ月前。この者たちは住居を追われ、ワシのところに直訴に来た。『どうか、人間どもを追 い払ってくれ』と。しかしワシは『人間とて動物。生きていくためには森を必要とする場合もある。もう少し様 子をみよう』と答えた。そして希望する者は、我がたてがみにて休むことを許可した。だが、もう限界である。 そなた達はあまりにも無謀に森を削りすぎる。しかもただ利益のために!ワシの頭で住まう者は後をたたず、今 では立ち上がることさえままならぬ。とにかく一日も早く、何とかして欲しいのだ」「はあ、なるほど。…さっそ くいい床屋を呼んできます」「違うだろ!」
【作】 小林 徹也 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース2年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授