2005年
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 「どうにかならんかね」

 悩み深き王の髪は、迷えるモノの拠りどころなり。

 「うむ、やっと来たか。そなたに来てもらったのは他でもない。ワシのこの頭を見てくれ。そなた達がまわり
の森を伐採し始めた1カ月前。この者たちは住居を追われ、ワシのところに直訴に来た。『どうか、人間どもを追
い払ってくれ』と。しかしワシは『人間とて動物。生きていくためには森を必要とする場合もある。もう少し様
子をみよう』と答えた。そして希望する者は、我がたてがみにて休むことを許可した。だが、もう限界である。
そなた達はあまりにも無謀に森を削りすぎる。しかもただ利益のために!ワシの頭で住まう者は後をたたず、今
では立ち上がることさえままならぬ。とにかく一日も早く、何とかして欲しいのだ」「はあ、なるほど。…さっそ
くいい床屋を呼んできます」「違うだろ!」


【作】
小林 徹也

京都精華大学芸術学部
マンガ学科カートゥーン・マンガコース2年生

描科の動物につい目が行ってしまうんですよ。特にライオンは好きですね。強そうでいて、しかもとぼけた感じがあって。家に描を飼っているからかな。もうだいぶん年ですが。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

ライオンと右下の人物をもう少しうまくデフォルメしていれば、もっと効果的だったな。クロッキーのうまいキミにしては、ちょっと残念。でも構図はさすが、よく考えられているよ。
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