1997年
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 「金賞だよ。すごいでしょ。」



21世紀の芸術の秋。少年が見た地球はこんな風。

「あんた、ちょっと見たって。木星の娘夫婦んとこから映像が届いてますのや。」「あ~どれ、このボタンをポンっと…。お、出た出た。」「ま、ユウタの絵が写生大会で金賞やて。へえ、今はまた地球まで遠足に行くねんねえ。」「地球は人類の発祥の地やからな。この火星で生まれたワシらでも、なんや懐かしい場所やわな。」「そやな。今は砂とコンクリートの残骸しかないけど、私らと同じようにそこで生活したはった人らがいてたんやもんねえ。」「ま、歴史の教科書で習うことを実際に見るのも勉強の内やろ。それよりな。ユウタにこづかい送ったろ。」「ええね。ほなさっそく電子バンク用意するわ。」

【作】
植野 朋

京都精華大学芸術学部
マンガ専攻4年

就職活動真っ最中に描いた作品なのでツメが甘かったんじゃないかとちょっと反省(笑)。物をリサイクルするのって好きですね。地球をきれいにしてるって実感があるからかな。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

全部砂漠になってしまったか。子供の顔が実に無邪気なのが、かえって恐さを鋭く表現しているネ。ただ写生大会の文字が目立ちすぎ。もう少しさりげなく状況を説明したかったね。
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