今日、あなたから2通目の手紙が届きました。砂漠化したこの地球で、人々が生きることができるのはわずかに点在するサボテン畑の中だけという世の中で、あなたからの手紙は私にとって大切なオアシスそのものです。ここのサボテン畑の人々は皆、手紙好きで、私もその影響を受けて始めた文通ですが、何もかもが瞬時に伝わってしまう電子メール全盛期にはなかった「何かを待つ楽しみ」を覚えました。階下のおばあちゃん曰く、そういうのを「思いもうける」というのだそうです。「もっと、もっと、もっと」と生きてきた地球人のせいで世界はこんな風になっちゃったけど、ゆっくりラクダ便を待つ生活も悪くないなと思う今日この頃です。では、また。
【作】 横山 彰子 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース4年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授