「よ~し、みんな、バッテリー行き渡ったか。今日は新学期初めての充電日や。1年生の時にやったさかいに要領はわかってるな。とにかくひたすらにアクリル板で髪の毛をこすってくれたらいいんや。皆のおこすこの貴重な静電気が、学校の照明を、ひいては地球の未来を救うんやからな。ん?おい、鈴木。おまえ何でそんなに短髪にしてきたんや。校則で男子も女子も、髪の長さは20センチ以上やて決められてるやろ」「そやかて、お母ちゃんが『シャンプーがもったいない』言うてバリカンでやりおったんやもん」「えらいキツイお母さんやな。ほな伸びるまで何かで代用せなしゃあないな」「そや!先生のそのカツラ貸してえな」「…おまえなんでそんなこと知ってんねん」
【作】 山口智砂斗 京都精華大学芸術学部 マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生
【評】 ヨシトミヤスオ 京都精華大学芸術学部・ 教授