2000年
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 「サボテンの森で」

野良で生き抜く美学を学べ。渇いた地球を教訓にして。

ただいまぁ。なあに、その顔。今日もまたネズミかって? 僕たちも一度でいいからハンバーグや刺身みたいなごちそうを食べてみたい? そんなこと誰に聞いたの? 黒猫のおじいさんが昔はいくらでも食べられたって言ってたって? もう、余計なことを…。あのね、それは人間がいた頃の話なの。そういう贅沢や便利さを求め過ぎた人間のせいで地球はこんな砂とサボテンだけの星になってしまったし、人間自身も環境に順応できずに滅びてしまった。だから私たち猫族は、野生を失わずに堂々と生きていかなきゃいけないっていつも言ってるでしょ。お母さんが毎日どんなに苦労して獲物を捕って来てるか考えれば…こら! 食べてないで聞きなさいってば!


【作】
清水直子

京都精華大学芸術学部
マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生

このまま地球環境が厳しくなれば、いずれ人間は自然淘汰されてしまうような気がします。その後の進化を引き継ぐたくましい生物の代表として、野良猫とサボテンを描きました。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

ごくごく普通の風景に見えるけど、よく見ると庭の植物がみんなサボテンになってしまっている。これは新しい視点だね。環境マンガの方向を示す秀作だ。画風も新鮮でいいぞ!
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