2006年
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 「河童の社会見学」



妖怪も遠く歴史を遡り、祖先の知恵を学びましょう。

 「これが我々の古代の姿です。では、今の君たちとの違いがわかりますか?」「はぁい!毛があります」「そう
です。それに頭のお皿がむき出しですね。我々のように、超合成樹脂カバーでは覆われていません。他には?」
「はい!体が緑色です!…変なの」「これこれ、そんなことを言うものではありません。昔は水と植物があふれて
いたのです。だから頭のお皿のカバーも必要なく、自分の体を隠す保護色も緑色であるほうが良かった。それに
雨も酸性雨ではなかったために、髪の毛もあったようです。手についているのは水カキです。これを使って、自
由に泳いでいました。私達にもまだ付いていますね。だいぶ薄いですが」「え~、私、泳ぐの嫌い」「僕たちも…」
「やれやれ…。『河童の川流れ』は死語ですな」

【作】
渡邊瑠珠子

京都精華大学芸術学部
マンガ学科カートゥーン・マンガコース3年生

東京の博物館で猿人の剥製を見て、河童を進化させることを思いつきました。キャラクターとしての河童にかなり惹かれるものがあるので、あんまり変わって欲しくないですけど。

【評】
ヨシトミヤスオ

京都精華大学芸術学部・
教授

単純化された線で、とてもさわやかな感じに好感が持てたな。思わずウンウンとうなずいてしまうアイデアにも、すごく素直な発想が組み込まれていて見ていて気持ちがいいよ。
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